歯石の放置は危ない?全身リスクの恐ろしい関連性のイメージ

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あなたは「歯石」と聞いて、どの程度その危険性を理解しているでしょうか?多くの方は、「歯に付く、取った方がいい汚れ」程度の認識かもしれません。

痛みがない、あるいは見た目にはっきりと分からないため、「まあ、そのうち」と放置しがちな方が多いのが実情です。

しかし、その油断が全身の健康、特に心臓をはじめとする重要な臓器の病気を誘発・悪化させる可能性があることをご存知でしょうか?

今回は、単なる口腔内の問題では済まされない「歯石」の正体と、定期的なケアの重要性について、詳しくご説明します。

 

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歯石の正体:ただの汚れではなく「細菌の塊」

歯石とは、毎日の歯磨きで取り残した「歯垢(プラーク)」が唾液中のミネラル分と反応し、石灰化して硬く固まったものです。

歯垢自体が、虫歯や歯周病の原因となる細菌が大量に繁殖したネバネバした塊ですが、それが石化してできた歯石も、いわば「生きた細菌が詰まった硬い塊」そのものです。

この細菌の塊が、歯と歯茎の境目や、歯茎の内部にへばりついてしまうことで、恐ろしい連鎖反応が始まります。

 

歯石を放置することで引き起こされる全身への悪影響

歯石を放置することによる悪影響は、口の中だけに留まりません。歯石がもたらすリスクは、以下の通り、全身に及びます。

 

1. 歯周病(口腔内の最大リスク)

歯石は、歯周病を引き起こす最大の原因です。歯石が常に歯茎の周りに存在することで、細菌が慢性的な炎症を引き起こし、やがて歯を支える骨(歯槽骨)を溶かし始めます。

これが進行すると、最終的に歯が抜け落ちてしまう可能性があります。

特に、歯の裏側(舌側)や上の奥歯の内側は、唾液腺があるため歯垢が溜まりやすく、歯磨きも難しいため、歯石が付きやすい「魔のエリア」となっています。

 

2. 心臓病・心筋梗塞の誘発・悪化

歯石内の細菌は、歯茎の炎症によって傷ついた血管から体内、特に血流に乗って心臓まで到達することが、近年の研究で明らかになっています。

これらの細菌が心臓の血管内壁に付着したり、炎症を起こしたりすることで、心臓病や心筋梗塞を誘発するデータが示されています。

また、すでに心臓病を患っている方が歯周病を放置すると、病状を悪化させる一因となる報告もあります。

 

3. 糖尿病などの全身疾患の悪化

心臓病と同様に、歯周病菌やその毒素が血管を通じて全身を巡ることで、糖尿病や関節リウマチなどの全身疾患を悪化させるという報告も増えています。

特に糖尿病は、歯周病と双方向で悪影響を及ぼし合う関係にあることが知られています。

このように、歯石の放置は「歯が少しグラつく」といったレベルを超え、命に関わる深刻なリスクとなり得るのです。

 

歯石を付けないための二大予防策

恐ろしい全身リスクを回避し、歯石が付かないようにするためには、「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」の二本柱が欠かせません。

 

1. 毎日の徹底したセルフケア(丁寧な歯磨き)

歯石の元となる歯垢は、丁寧に磨けば除去できます。ポイントは、ただ漠然と磨くのではなく、小さい歯ブラシを使い、歯の表面だけでなく、歯と歯茎の境目、歯と歯の間といった磨き残しが出やすい場所を一本一本意識して丁寧に磨くことです。

 

2. 定期的なプロフェッショナルクリーニング

どんなに完璧に磨いても、必ず磨き残しは発生します。歯垢は、だいたい3〜4ヶ月の期間をかけて徐々に歯石に変わると言われています。

そのため、歯石に変わる前の段階で磨き残しを完全に除去するため、3〜4ヶ月に一度のペースで歯科医院でのクリーニングを行うことをお勧めします。

この2つのケアを継続することで、歯石が付きにくい健康な口腔内を保つことができます。

 

付いてしまった歯石は「プロの力」で安全に除去

残念ながら、一度硬く石灰化してしまった歯石は、歯ブラシでは取り除くことができません。

自己流での除去は厳禁

激しく歯磨きをしたりして自分で歯石を取ろうとする方がいますが、これは歯の表面(エナメル質)を傷つけてしまうリスクがあり、非常に危険です。

歯を傷つけると、かえって汚れが付きやすくなるため、絶対に避けましょう。

 

歯医者での除去はほとんど痛くない

歯石の除去は、歯科医院で専用の機械や器具(スケーラー)を使って行われます。

ほとんどの場合、その日のうちに安全に除去が可能で、痛みを感じることは稀です。

ただし、長期間放置され、歯石が歯にガッチリと付着している場合や、歯周病が進行している場合は、一時的に痛みや出血を感じることもありますが、心配するほどの痛みではありません。

 

歯周ポケット内の歯石はプロでないと取れない

歯石は歯茎の上の目に見える部分だけでなく、歯茎の中(歯周ポケット)にも付着します。

この歯茎の中に付いた歯石(歯周病の直接の原因)は、見た目では分かりませんし、歯科医院で特殊な器具を使わなければ除去できません

歯茎の状態をチェックするためにも、定期的な来院は不可欠です。

 

どんな人がクリーニングに来ている?

基本的に歯のクリーニングは全年齢の方にとって必要なものです。

  • 子供世代:お菓子等間食を好むためむし歯になりやすかったり、学校生活でのお手入れ不足や乳歯の生え変わり時期等はむし歯になりやすく、歯のクリーニングやフッ素塗布等が重要です。
  • 20~30代:若い人は仕事で生活が不規則になりがちな面もあり、お手入れ不足が続くので定期的なクリーニングが必須です。
  • 40代以降:中高年になると歯周病リスクが一気に上がるため、定期的にクリーニングを受けていないとむし歯や歯周病になり抜歯の危険性が上がります。

どの世代の方も、「歯石」を気にして来ているわけではありませんが、クリーニングの結果としてすべての歯石が除去され、口腔内がリセットされることで、歯周病のリスクが大幅に低下しています。

歯石の除去は、歯のぐらつきの原因を取り除き、歯茎の引き締めを促すことで、歯のぐらつきの改善に繋がることもあります。

 

まとめ:歯石は放置せず、今日から行動を

「歯石」は、心臓病をはじめとする全身の健康を脅かす「細菌の塊」です。

歯石を放置していても、良いことは一つもありません。まずはプロの力で徹底的に除去し、その後は「毎日の丁寧なケア」と「3〜4ヶ月に一度の定期クリーニング」で、歯石が溜まらない健康な状態を維持することが、歯と全身の健康を守るための最も大切な習慣です。

 

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