お役立ち歯科コラム
自宅でできる効果的なお口のセルフメンテナンスは?毎日の習慣が鍵!
むし歯や歯周病の予防、そしてお口の健康を長く保つために最も重要となるのは、毎日のご自宅でのケア、すなわちセルフメンテナンスです。
歯科医院での定期的なプロフェッショナル・ケア(専門的なクリーニング)も大切ですが、日々のセルフケアなしに健康を維持することはできません。
ここでは、毎日実践したい効果的なお口のメンテナンス方法について解説します。
【この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます】
Contents
メンテナンスの目的:バイオフィルムの除去と再発防止
お口のメンテナンスの基本目的は、歯周病やむし歯の原因となる細菌の塊(バイオフィルム)を定期的に除去し、健康な状態を保つことです。
-
歯科医院での専門的なケアで細菌は大幅に減少しますが、通常3〜4か月で元の状態に戻ると言われています。このため、多くの方には3〜4か月に一度の定期検診が推奨されますが、リスクに応じて間隔は異なります。
自宅で実践するセルフケアの4つのポイント
セルフケアは、歯だけでなく、歯茎、歯槽骨(顎の骨)、さらには頬や舌の粘膜まで含めたお口全体の健康をカバーすることが大切です。
1. 適切な歯ブラシで丁寧に磨く
適切な歯ブラシの選択
ご自身の年齢や体格、お口のサイズ、歯並び、歯茎の状態などに合わせて、最適な歯ブラシを選びましょう。
-
ヘッドの大きさ:奥歯の外側までしっかり届く、薄くコンパクトなヘッドを選びます。
-
力の入れ方:力が入りすぎると歯茎を傷つけるため、力の入れすぎ防止機能があるブラシや、「ふつう」または「やわらかめ」の毛の硬さを選びましょう。
-
特別なケア:矯正治療中の方や、特定の箇所を重点的に磨きたい場合は、毛束の少ないワンタフトブラシの活用が有効です。
磨き方のポイント
汚れを効率よく落とすには、毎食後に時間をかけて、力を入れすぎずに磨くことが重要です。
2. 歯間ケアツールでプラークを徹底除去
通常の歯ブラシだけでは、歯と歯の間や歯周ポケットの汚れは十分に落とせません。
-
歯間ブラシ・デンタルフロス:必ず併用し、歯ブラシでは届かない箇所の歯垢(プラーク)を取り除きましょう。
-
順番:効率を上げるため、歯ブラシを使う前にデンタルフロスを通すことを推奨します。フロスで掻き出した汚れを、その後の歯磨きで除去できます。
-
サイズ:歯間ブラシはサイズが重要です。狭すぎる箇所に無理に大きなブラシを入れると歯茎を傷つけるため、最適なサイズを歯科医院で相談しましょう。

3. 入れ歯(義歯)の適切な管理
入れ歯を使用している方は、以下の点に注意しましょう。
-
清掃:入れ歯も専用のブラシで毎日きれいに掃除します。
-
保管:就寝時などは入れ歯を外し、乾燥させないよう消毒液などの水分に浸しておきましょう。
4. 歯磨き後のうがいは最小限に
歯磨き粉に含まれるフッ素は、歯の再石灰化を促進し、むし歯予防に重要な役割を果たします。
フッ素の成分を歯に長く留まらせるために、歯磨き後のうがいは少量の水で1回だけに留めるようにしましょう。
高齢期における口腔機能の維持:サルコペニア対策
近年、高齢者におけるサルコペニア(全身の筋力低下)対策として、口腔機能の維持が注目されています。
-
食事と栄養:合わない入れ歯や嚥下機能の低下が原因で食事がおっくうになると、栄養不足や運動量減少につながり、サルコペニアの悪循環を招きます。
-
口腔リハビリ:しっかりと噛んでバランスの良い食事を摂るため、お口周りのリハビリやマッサージを取り入れ、嚥下機能(飲み込む力)や咀嚼機能を維持することが、全身の筋力維持にもつながります。
まとめ
お口の健康を維持し、むし歯や歯周病の再発を防ぐためには、歯科医院での定期的なプロフェッショナル・ケア(専門的ケア)と、日々のセルフメンテナンス(自宅ケア)の両方が不可欠です。メンテナンスの主な目的は、病気の原因となる細菌の塊であるバイオフィルムを定期的に除去し、健康な状態を保つことです。
プロケアで大幅に減少した細菌は通常3〜4か月で元の状態に戻るため、この期間での定期検診が推奨されますが、日々のセルフケアこそが最も重要になります。
阿倍野区昭和町付近にお住まいで歯のことで気になることがあればあべのグリーン歯科へご相談ください。